遮風建屋撥水剤塗装
今日ご紹介する現場は函館から車で2時間福島町の吉岡にある電気設備の建屋の塗装の様子です。
北海道と本州は津軽海峡を隔てているため、電気の融通が簡単には出来ません。
そこで既存の海底トンネルを利用してケーブルを通し、本州との電気のルートを開発しようという壮大な計画です。
足場から津軽海峡を望みます。この海の下の海底ケーブルを伝わってやってきます。
直流の大容量の送電ケーブルを受け持つこの建屋はその名のごとく遮風建屋として風から電源設備を守る目的で作られ海が近いため塩害対策として
鉄筋コンクリート造(以下RC造)となっています。RC造の宿命として中性化との戦いがあり少しでも中性化を遅らせる為、雨水からの保護として撥水剤を塗布します。
RC造は型枠を外して初めてその外観がわかります。打ち継ぎ部分のムラやジャンカと呼ばれる不良部分がどうしても出来てしまい、撥水剤を塗る前に補修をかけます。
冒頭の写真は補修屋さんが手直ししてくれている所です。
綺麗に直して貰った所で我々の出番です。
撥水剤は「造膜」するタイプの塗料ではなく「含浸」するタイプのものなので普段の塗装と手応えが違います。
所定の塗布量がキチンと塗られているか㎡当たりの缶数を把握しながら塗り進みます。
屋上部分も規定通りに。
ローラーから毛が抜けたりしないか気を配りながら塗ります。
こちらは足場を留めるアンカー部分を塞ぐダメ穴でその部分にも塗布します。
少ない面積でも雨はしっかりガードです。
塗布直後です。
透明なので全くわかりませんね。(笑)
しかし、自分達の塗った撥水剤でキチンと建物が保護されているというささやかな誇りが何よりの自慢です。
送電ケーブルが出て行く部分の庇にはセラムという発注者指定のエポキシ塗料が施されました。
弊社も初めて使う塗料ですが重防食塗料としては様々なインフラ設備で実績があるようです。
初めて使う材料はやはり神経を使います。
混合比を所定通り計測して使用します。
重防食系の塗料はその性格上厚膜タイプがほとんどなのでやはり塗りづらいです。
しかしその使命を理解している我々はむろん丹念に塗って行きます。
スラム塗装部分の完成です。
津軽海峡からの塩害も守ってくれるでしょう。
完成した建物全景です。
ここから出て行ったケーブルが北斗市に建設中の変換所へ送られます。
本州と北海道を繋ぐ電気の大動脈を形成する大プロジェクトに携われたことを本当に嬉しく思います。
運用が開始された時には是非また足を運びたいと思います。